LEDテスターを作ってみる

市販品のLEDテスターを見知ったのをきっかけに、LEDテスターを作ってみようと思い立ってからずいぶん時間がたってしまいました。色々と考えてはみたものの、結局トランジスタを2個使った簡単なものにすることに。そもそも複雑なものを作る能力などないので当然です。

自作LEDテスターの仕様

NPNトランジスタを2個使った簡単な定電流回路を利用することにしました。この方式では抵抗値を変えればそれに応じて電流値も変わるので調整も可能です。電流値の範囲は1mAから1mAきざみで63mAまで設定可能とすることにしました。31mAまでで十分だったのですが、基板のスペースがあったので63mAまでに拡張しました。

回路と部品

まずは用意した部品を並べてみました。
LEDテスターの部品

写真右側の部品は上から順に

カーボン抵抗は手元の在庫が多めだった3.6kΩにしました。もっと大きいもの(10kΩとか)を選んだ方がよかったのかもしれません。
トランジスタはNPN型の2N2222AとNチャンネルのIRLML2502にしました。これも手元にあるものから選びました。
DCジャックは足(ピン)が細く、無加工で基板に取り付けられるタイプのものを使いました。加工しなくていいので面倒がありません。

回路と基板への配置は下図(PasS使用)のようにしてみました。
PasSによるLEDテスターの図
DCジャックの下側のトランジスタは2N2222A、右側のトランジスタは図とは異なり面実装のIRLML2502を使いました。もちろん2N2222Aでも問題はありません。そもそも2N2222Aでなければならない理由もありません。
2N2222AのVBEが0.6Vの場合、半固定抵抗は左から600Ω、300Ω、150Ω、75Ω、37.5Ω、18.75Ωとします。これでスライドスイッチをONにした時に流れる電流は左から1mA、2mA、4mA、8mA、16mA、32mAとなります(1mAの計算例:600mV/600Ω=1mA)。電流量はスライドスイッチのON/OFFの組み合わせによって1〜63mAになります。例えば20mA流したいなら4mAと16mAをONにします。2mAきざみにする場合は2mA、4mA、8mA、16mA、32mA、64mAにします(2〜126mA)。
ピンソケットは二組用意しました。左側の組は並列、右側の組は直列です。これを使って電圧・電流の測定も可能です。
タクトスイッチは1回路です。図の上下方向はOFFの状態でも導通があります。

組み立てと調整

実際に組み立てるとこのようになりました。簡単なので途中工程は省略します。
LEDテスター完成写真
基板は塗装してから使いました。
面実装のIRLML2502は基板の裏側にあって表側からは見えません。
何かの測定用にとタクトスイッチの上側にピンヘッダをつけてはみましたが、どうも使い道はなさそうです。

ピンソケットの右の組にLEDとテスターをつないで、電流量が1mA、2mA、4mA、8mA、16mA、32mAになるよう調整しました。これでLEDテスターの完成です。
電流を1mAに調整 電流を32mAに調整

このLEDテスターでは供給電圧が変わると電流量が変わってしまいますが、たぶんどうにもなりません。
電源を5Vあたりまでにすれば、逆電圧の耐圧が5VぐらいのLEDが多いので逆に挿しても破損は免れるかもしれません。
32mA用の半固定抵抗をボリューム(可変抵抗)に変更すれば設定できる電流量の幅が広がります。そうした方が使い出がありそうです。が、そもそもLEDテスターの出番はそう多くはないような気も。

このLEDテスターには謎の現象が・・・。LEDをつなぐとスイッチがOFFであるにもかかわらずLEDがうっすら発光します。
かすかに発光するLED かすかに発光するLED
これはどういうことなのか。回路が正しくないのか? 配線ミス? この時の電流を測ってみると0.1〜0.2μAでした。どこかで漏れているということ? LEDがこんな電流量で発光するとは思ってもみませんでした。
ちなみにこの時LEDの足や基板裏に触れるとLEDはより明るくなります。どうやら体を流れていく電流分だけ明るくなるようです。


Last Modified: 23 November 2018